吃音とは?(原因と症状、随伴行動について)

吃音とは、発語する始めの音や途中の音を繰り返したり(連発)、音を引き伸ばしたり(伸発)、詰まって言葉が出てこなかったり(難発)といった症状が明確にあるために、なめらかに話すことのできない言語障害の一種です。

発達性吃音と獲得性吃音に二分され、その9割は発達性です。発症率は人口の約5%にあたりますが、自然治癒などを経て定着する割合は約1%程度とされています。男女比では男性の割合が高いですが、幼少期はほぼ差がありません。

一般的に「吃音」と「どもり」はほぼ同義語として扱われてきましたが、近年「どもり」は差別用語であるとして、公の場での使用は減りつつあります。

原因とされているもの

原因は諸説ありますが、完全な解明はされていません。かつては舌が短かったり声帯に異常があったりすると吃音になると言われていましたが、身体器質的な異常は原因ではありません。

利き手の矯正や保護者による対応(特に、母親による厳しいしつけ等)も一時大きく取り上げられましたが、その後の研究により覆りました。また不安や緊張、仕事のストレスなどの精神疾患が引き起こすと思われることも多いのですが、心理的要因は「悪化」させることはあっても「原因」であるとは言えない、というのが現代の定説です。

吃音の原因は、本人のもつ素因的要因(体質、発達)や環境的要因などがあり、それらが複合的に作用していると考えられています。

症状としてはどんなものがある?

吃音の中核的な症状には、以下の三つが挙げられます。

まず、「ぼ、ぼ、ぼ、ぼく」のように同じ語音や音節を繰り返す症状を『連発』といいます。吃音の初期に表れやすい症状です。

次に、「ぼーーーくは」「わーーーたし」など、語音を引き伸ばす症状を『伸発』と呼びます。

三つ目は『難発(ブロッキング)』。「…、…、……わゎたし」と、詰まって言葉が出ない状態を示します。

吃音というと「連発」の症状がイメージされがちですが、これらを核とし、さらには随伴行動もあります。随伴行動とは、手や足でタイミングをとるようにを拍子をつけるように動かす(ばたつかせる、振る等)、目をこする、のけ反るというような動作で、吃音を避けるための二次的な行動が身についてしまったものです。

吃音のフシギ

理由は解明されていませんが、歌唱や朗読をするときや詩吟をする際には吃音の症状が出ない、という人が多くいます。一人で行うと出るけれど、誰かと一緒ならほぼ出ないというケースもあります。心を許せる人との会話では症状が出ないものの、不特定多数の前では出るという人と、逆に、親しい人の前のほうが症状が重くなるという人もいます。

また、男性の圧倒的な発生率の高さも、フシギの一つです。「男性のほうが社会的な責任や期待が重圧になりやすい」などと語られることも多いのですが、どのような文化のどの国でも、男女比は同じです。
吃音はまだまだ、わからないことばかりなのです。

吃音かなと思ったら

もし、ご自身が「吃音かな」と感じるような言語障害や随伴行動があるのであれば、レコーダーやカメラなどで話している様子を録音、録画してみるのもよいのではないでしょうか。

ご自身で思うほど、症状は表れていないかもしれません。苦手な言葉がある、話すことに不安を覚える(予期不安がある)といった場合には、躊躇せずに吃音を専門とした病院を受診しましょう。主に耳鼻咽喉科やリハビリテーション科にあります。

お子さまの吃音が心配なときには、地域の保健センターなどの窓口へ行ってみるのもよいでしょう。言語聴覚士による相談先や、小学校にある「ことば(ときこえ)の教室」を紹介してもらえるはずです。「ことばの教室」は学齢期が原則ですが、幼児の受け入れに応じているところもあるようです。

いずれにせよ、一人で悩まず、専門機関へ相談しましょう。

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