吃音者になりやすい人の特徴

吃音は発達性吃音と獲得性吃音の2種類に分類されます。

幼児期に起こることがほとんどである発達性吃音は、子ども自身の体質や発達の影響、環境的な問題などが絡み合い発症すると言われています。

そして青年期以降に現れやすい獲得性吃音は神経や脳の疾患、損傷から起こるものと、心因性のものに分かれます。

後者は精神的なストレスや心身の傷ついた体験から、吃音を発症するケースです。また、発達性吃音が成長とともに改善されず、固定したまま残るケースもあります。

こちらは「自分は流暢に話せない」と気づき、予期不安を重ねるうち随伴行動を伴うなど複雑化、深刻化してしまうこともあるようです。

従って、もとより感受性の高い人や繊細で傷つきやすい人、そうでなくとも傷つく経験を重ねてしまったがためにネガティヴになりやすい人は、吃音を発症したり、症状が深刻化したりすることが比較的多いと言えるでしょう。

▪︎心当たりありませんか?

例えば、次のような素養を持つ人は吃音が出やすいという説があります。

一つ一つの物事や人に対して目配りがきき、思慮深く、想像力に長けている。他人の気持ちをよく察し、嫌な思いをしている人を見かけると落ち着かなかったり、自分のことのように苦痛を感じたりする。

他人から評価されたい、好かれたいと願う気持ちが強い反面、嫌われることを恐れることもある。成長意欲が強く、常に完璧でありたいと考える傾向がある、などです。

視野の広さに対して若干主観的な面があり、他の人にとっては一見些細なことでも熟考したり思い詰めたりしがちです。また、敏感さゆえに騒がしい環境が苦手ということも多いようです。

▪︎吃音になる人は優秀な人

前述のような特徴は、弱さやもろさではなく大きな長所とも言えます。感受性の高さは、他者への優しさや豊かな表現力を生み出します。

理想の高さ、成長意欲の強さは大きな志やリーダーシップへと繋がり、想像力はその実現を助けるでしょう。

同じ特徴であっても、どう捉えるかが重要です。心因性の獲得性吃音に限らず、吃音を持つ人にとって「失敗したらどうしよう」という不安や緊張、「からかわれたら、笑われたら」という恐怖は根の深い問題です。

自信のなさは吃音そのものを悪化させるだけでなく、他の症状や疾患へ繋がることもあるのです。吃音はかつてイギリスで、紳士の条件の一つになったこともあるそうです。

吃音を持つ当人も保護者を始めとする周囲の人々も、吃音を後ろ向きに捉えず、肯定感を高めていくことも大切です。

▪︎事実、吃音者に有名人・芸能人は多い

伝説の女優マリリン・モンローや、ハリウッド俳優のブルース・ウィリス、世界的なゴルファーのタイガー・ウッズなど、吃音を持ったり子どもの頃に持っていた有名人はたくさんいます。

日本でも、ノーベル文学賞受賞作家の大江健三郎、芥川賞作家の小島信夫や村田喜代子、元内閣総理大臣の田中角栄、元オリンピック選手の清水宏保など数多く挙げられます。

また、アナウンサーや落語家、俳優など「話す」ことを仕事の大部分とする吃音者も少なくありません。

52歳でメジャーデビューした歌手スキャットマン・ジョンは、子どもの頃から吃音に悩まされてきました。症状を改善させようとさまざまな努力を積み重ねましたが、思うようには治りませんでした。

そこで彼は吃音を活かした独自の歌唱法(スキャット)を生み出したのです。アルバム『スキャットマンズ ワールド』は、日本を含め世界各国で600万枚以上を売り上げ、各チャートにおいて堂々の一位を飾りました。

音楽以外でも吃音者のための「スキャットマン基金」を設立するなど、多くの吃音者に勇気と支援を与えたと言えるでしょう。

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