「言葉が出ない」「一言目が出ない」大人がなりやすい難発吃音の特徴と原因について

難発性吃音とは、発語する際に最初の音が詰まってなかなか出てこない吃音のことで、「ブロック」とも呼ばれます。たとえば「おはようございます」と言おうとしても、「……!お、お……」のように、最初の語が詰まってしまうことが特徴です。

原因は脳の障害を始めとして諸説あり、これだと明言することはできません。きっかけもさまざまで、慢性的なストレスであったり、一つの失敗が引き金になったりします。

周囲から見れば、ほんの小さな躓きであることもあるようです。また、割合としては多くはないものの、幼少期からの吃音が発達とともに解消せずに固定化したものもあります。

●難発吃音の特徴

難発性吃音には、ある特定の場面においてや、特定の言葉に限って症状が現れるという特徴があります。

普段の会話では流暢に話せていても、電話での通話中、職場の朝礼、人前に出て話すなど特定のシチュエーションになった途端に、思うように言葉が出なくなってしまうということです。

特定の言葉とは、「あ」や「お」などが多く、例えば「ありがとうございます」や「お疲れ様です」、「お世話になっております」などと言う際に吃音が出やすいようです。また、自分の氏名や社名が言えないケースもあります。いずれも、自己嫌悪や自責に結びつきやすく、予期不安を引き起こしがちです。

●きっかけと原因について

発症するきっかけは、労働環境や人間関係など職場でのストレス、仕事上の失敗、各種ハラスメントなど多岐に渡ります。一つの事柄がきっかけになることもあれば、さまざまな要因が複雑に絡み合っていることもあります。

原因は先述の通り諸説ありますが、一つは脳の障害だと言われています。吃音のある人とない人を比較すると、ある人はない人よりも発語時に右脳が過度に活動していることや、ドーパミンが過剰に分泌されていることなどが解っています。

また、「吃音」という言葉や症状を知り、自覚してしまったことによるものもあるという説もあります。「肩こり」を知った途端に自分の肩こりに気づく、と同じ原理です。

●難発吃音の問題点

子どもの吃音と大きく異なる問題点は、社会人になると、吃音の出やすい場面が予め分かっていたとしても、それを避けることがより難しくなっていることが挙げられます。

職場での朝礼や電話、大人数を前にしたプレゼンテーションのほか、結婚式でのスピーチなども含まれます。

そういった状況で吃音が出ると、たとえ他人から責められたり笑われたりすることがなかったとしても、「こんな簡単な言葉も言えないなんて」と自分を責め、プライドも傷ついてしまいがちです。こうしたことから、大人の吃音はうつやSADを併発しやすく、自殺企図者も多いというのが実情です。

一方、症状の出やすい場面や言葉をできるだけ回避するなど、吃音を「隠す」テクニックを身につけている場合も、隠れた吃音者として思い悩み、人知れず消耗を重ねているケースも少なくありません。世間一般において吃音に対する理解度が低く、誤解が多いことも根深い問題と言えるでしょう。

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